中山王子神社足の宮は、和歌山県印南町にある。
後鳥羽天皇の熊野御幸に随行した藤原定家は、建仁元年(1201年)10月11日に切部(きりべ)王子付近の漁師の家で、海水で身体を清める塩垢離を行い、翌日「切部中山王子」に参拝している。
承元4年(1210年)熊野に参拝した修明門院は4月26日に切目で宿泊し、翌日中山王子に参拝している。
江戸時代には、中山王子社と称され、境内には長床(ながとこ)という僧の修行場ないし宿泊施設も設けられていた。
平安時代の中山王子社は別の場所にあり、後世現在地に移されたと考えられている。
明治時代に王子神社となって、付近の小社を合祀し、現在は足の宮も祀られている。
中山王子跡は、昭和33年に和歌山県の史跡に指定されている。
JR紀勢本線切目駅下車、徒歩20分。参拝者用の駐車スペースがある。