梨木神社は、京都市にある。
当社は、明治１８年（１８８５）に創建された旧別格官幣社で、明治維新の功労者 三條実萬（つむ）公、実美（さねとみ）公父子を祀っている。
三條家の旧邸が、梨木（なしのき）町にあったことにちなんで名付けられた。
三條実萬(1802-1859)は、幕末の尊王攘夷派の公卿で、文化９年（１８１２）以来４７年間、光格、仁孝、孝明の三代の天皇に仕え、皇室の中興に尽くしたため、幕府と対立し、
その圧迫により一乗寺に幽居したが、翌年の安政６年（１８５９）に逝去し、「忠成公」の諡号を賜った。
三條実美(1837-1891)は、幕末から明治前半期の公卿、政治家で実萬の第４子として生まれた。
尊王攘夷運動の先頭に立ち、明治維新後は太政大臣に任ぜられ、明治２４年に逝去し、正一位を贈られ、大正４年（１９１５）に父を祀る当社に合祀された。
旧茶室は、京都御所 春興殿（しゅんこうでん）（賢所）の神鐉殿（しんせんでん）を改装したもので、境内手水舎の井戸「染井（そめのい）」の水は、京の三名水（醒ケ井、県井、染井）の一つとして知られる。
また、当社は萩の名所として知られ、毎年９月中旬から下旬に催される「萩まつり」の頃は、多くの参詣者でにぎわう。
源氏物語に描かれる「花散里（はなちるさと）」の邸がこのあたりと推定されることなどから、源氏物語ゆかりの地（中川の家候補地）の案内板が建てられている。
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