野上八幡宮は、和歌山県紀美野町小畑にある神社である。
祭神は、応神天皇、神功皇后、玉依姫を祀っている。
旧県社で、近世野上荘27村の中、野上新荘3村を除く24村(現海南市東部及び紀美野町西部)の産土神である。
社伝によると、神功皇后が三韓から帰還の途中、紀伊衣奈浦に着き、難波に船を進ませる途中3年間頓宮の跡と言われる。
その後、欽明天皇の時代(6世紀中頃)、応神天皇の霊を勧請し八幡宮を創建した。
永延元年(987)に山城国石清水八幡宮の別宮となり、本殿等19社、22屋の規模を誇り、神事を行う検知職が石清水八幡から任命され、荘園の管理にもあたっていた。
天文10年(1541)根来の衆徒による火災で社殿、神宝の多くを焼失したが、弘治3年(1557)以降、逐次再建された。
その時の社殿等の多くが現在まで維持されており、本殿(1557)、拝殿(1573)、摂社武内神社本殿(1573)、摂社平野今木神社本殿(1557)、摂社高良玉垂神社本殿(1573)は、国の重要文化財となっている。
鎌倉時代末期の備前長船派の名工真長(さねなが)の銘がある赤銅鳥頸太刀一口(国の重要文化財)を所蔵している。
10月15日が例大祭で、獅子舞が行われる。
拝殿には、海南高校大成校舎美術部書道部が奉納した絵馬額(平成31年己亥歳)が掲げられている。