布経の松(別名三本松)と運び堂

布経の松(別名三本松)と運び堂は、和歌山県橋本市恋野にある。
中将姫が、三本松の根方に立って手を振ると、五本の指先から五色の糸が出て松の枝から枝に渡され、美しい布が織られた。
天上に居る母に贈り物として合掌すると、布は天高く舞い上がり、紫雲たなびく七霞山の彼方へと消えていったとの伝説が伝わっている。
「布経(ぬのえ)の松」の由来となった松の木は、今は枯れてしまい石碑が残されている。
中将姫がいつも空腹をこらえながら、称讃浄土仏攝受経を読誦しつつ、この峠を訪れるのを里人たちが見て不憫に思い、ここにある辻堂に食べ物を運んだといい、いつしかこの堂を運び堂と呼ぶようになった。
この一帯を運び堂という地名にもなっている。
JR和歌山線隅田駅下車、徒歩40分。



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