大滝口女人堂跡

大滝口女人堂跡は、和歌山県高野町にある。
高野山への七つの参詣道は高野七口と呼ばれ、女人禁制が解かれるまで女性はそこから山内に入れず、各入口には女性のための籠もり堂として女人堂が建っていた。
それらの女人堂を結ぶ道が当時の女性が歩いた道「女人道」として、現在も残っている。
大滝口女人堂跡は、高野七口の一つ「大滝口」にあった女人堂の跡である。
熊野参詣道のひとつ「小辺路」(こへち)の起点であり、高野山から大滝を経由して熊野につながる。
紀伊国名所図会には、次のように記されている。
〇登山七路  七口ともに女人堂あり。堂より上には女人の入ることを禁ず。(中略)
  大瀧口 又熊野口といふ。小田原谷に通ず。此道當山東南の入り口なり。
       熊野本宮に詣(けい)し、夫より絶嶮の深山幽谷を経て、凡(およそ)十五里にして高野に至る。(後略)



轆轤峠(ろくろ峠)

轆轤峠(ろくろとうげ)は、大滝口女人堂のあった場所で、女人禁制の頃、この峠付近から高野山内を、首を伸ばして見たという女性たちの姿からその名がついたと言われている。
紀伊続風土記には、次のように記されている。
    轆轤峠  下乗檄あり
  六時鐘の辻より東南へ去る事十町餘 當山七口の一なり
  熊野参詣の路にして大瀧村まで壱里餘




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