乙訓寺は、京都府長岡京市にある真言宗豊山派の寺院である。
山号は大慈山。本尊は、弘法大師である。本尊は合体大師と呼ばれ、弘法大師と八幡神の合体像と伝える。
推古天皇の勅願により聖徳太子が建立したとされる。
早良(さわら)親王のゆかりの地として知られ、親王は延暦4年(785年)に起こった藤原種継の暗殺事件の首謀者として捕まり、この地に幽閉された後、淡路めざして配流された。
境内に早良親王供養塔が建てられている。
弘仁2年嵯峨天皇は弘法大師空海を当寺の別当に任じて鎮護国家の道場とした。
その後、寛平(かんぴょう)法皇(宇多法皇)がこの寺に行宮を置き、法皇寺(ほうこうじ)とも称した。
室町時代に南禅寺末の禅刹になったが、江戸時代に護持院隆光の請いにより真言宗に復帰し、徳川綱吉の母桂昌院(けいしょういん)の援助により再興した。
重要文化財の毘沙門天像や長岡京市指定文化財の十一面観音像等がある。
境内には、ぼたんが2000株余りあり「ぼたん寺」としても名高い。
JR東海道線長岡京駅からバスで薬師堂下車徒歩5分。参拝者用の駐車場がある。