龍光院は、和歌山県高野山の本中院谷(谷ケ峰)にある真言宗の別格本山である。
本尊は大日如来である。
弘法大師空海の住房として子院中もっとも古い由緒を持ち、歴代の山主がここに住して、天歴年間(947-957)の再興まで一山の法務を掌り、中院御房と呼ばれていた。
寺伝によると、当院16世明算の時、院内の池に龍が宝珠を戴いて出現し、その奇瑞にちなんで寺名を龍光院と改められた。
江戸時代には、宝門の谷上院谷正智院に対して、寿門の常相談所となり、正月8日の吉初問講をはじめとして、月々恒例の法会、門講が行われた。
毎年12月31日夜には、壇上伽藍の御社(みやしろ)に御幣を納める奉幣の儀があり、当院の行事として受け継がれている。
絹本著色伝船中湧現観音像一幅、大字法華経7巻、紫紙金字金光明最勝王経10巻、細字金光明最勝王経2巻の国宝のほか、多くの寺宝を有している。
宿泊は檀信徒のみ可能で、春の彼岸から秋の彼岸まで受け入れている。
南海高野線高野山駅からバスで、金剛峯寺前下車徒歩5分。