狭井神社(狭井坐大神荒魂神社)は、奈良県桜井市にある大神神社の摂社である。
祭神は、大神荒魂神で、大物主神と姫蹈鞴五十鈴姫命(ひめたらいすずひめのみこと)、勢夜多々良姫(せやたたらひめのみこと)、事代主神を配祀している。
本社の大神神社が大物主神の「和魂(にぎみたま)」を祀っているのに対して、狭井神社は「荒魂(あらみたま)」が祀られている。
荒魂は、力強い神威から、病気平癒の神様として信仰が篤い。
社名の「狭井」とは、神聖な井戸、泉、水源を意味し、境内にある薬井戸の水は、万病に効くという「ご神水」で、多くの人が汲みに訪れる。
4月18日に行われる鎮花祭は、疫病を防ぐ祈願の祭りとして833年の「令義解」に記されているもので、「薬まつり」として知られる。
狭井神社前に三輪山登山口があり、社務所に申し込んで、神体山に登拝することが出来る。
神体山の上には、高宮(こうのみや)神社と奥津(おきつ)磐座(標高467.1m)がある。
三輪山信仰と大神神社の神事を「豊饒の海 第二巻 奔馬」に記した作家三島由紀夫の「清明」碑が、境内に建てられている。
JR桜井線三輪駅下車、徒歩10分。