櫻本坊は、奈良県吉野町にある金峯山修験本宗の寺院である。
本尊は役行者で、蔵王権現・不動尊を祀る。
近江から逃れてきた大海人皇子が、桜本坊の前身である日雄(ひのお)離宮に滞在した時、桜が満開になる夢を見て、天武天皇として皇位に就く吉兆としたとの伝説があり、境内には「天武天皇夢見の桜」がある。
もとは、金峯山寺近くの南市場町にあり、井光山五台寺桜本坊として広壮な建物を有していたが、明治の廃仏毀釈で、現在地のもと密乗院跡へ移った。
平安時代の木造地蔵菩薩坐像と白鳳時代の金銅釈迦如来坐像は、重要文化財に指定されている。
ギンモクセイは、県の天然記念物に指定されている。
近鉄吉野線吉野山駅からバスで竹林院前下車、徒歩3分。(Y.N)