新薬師寺

新薬師寺は、奈良市高畑町にある華厳宗の寺院である。
新薬師寺は、747年に聖武天皇の病気平癒を祈願して、光明皇后が建立した勅願寺院である。
建立前、天皇の病気を治すため、都とその近郊の名高い山、清らかな場所で、薬師悔過(やくしけか)が行われ、諸国に薬師如来七躯を造立するよう命じられた。
薬師悔過は、病苦を救う薬師如来の功徳を讃嘆し、罪過を懺悔して天下泰平万民快楽を祈る法要である。
創建当時、新薬師寺(当初は、香山薬師寺、香薬寺とも呼ばれた)の金堂には七仏薬師が祀られていた。
780年に落雷のため、伽藍の大半は焼失し、食堂(現在の本堂で国宝)のみが焼け残った。
この天平時代の本堂のほか、鎌倉時代の東門、南門、地蔵堂、鐘楼などの建物がある。
本尊は、薬師如来座像(国宝)で、体幹部分は一本のカヤの木から掘り出され、手と足は同じカヤの木から寄せ木して造られている。
本堂内は、円形の土壇が築かれ、中央の本尊の周りを十二神将立像(国宝)が囲んで立っている。
十二神将は、薬師如来を信仰する人を守る夜叉(インド神話で森林に住む精霊)の大将である。
各像とも独特の姿と表情をしており、特に伐折羅(バサラ)大将像の怒髪逆立つ表情はよく知られている。
十二神将立像の建立調査の様子を、ビデオで見ることが出来る。
本堂西南には、香薬師像を詠んだ會津八一の歌碑が建てられている。
近鉄奈良駅、JR奈良駅から市内循環バスで「破石町」バス停下車、徒歩10分。
寺院前に参拝者用の駐車場がある。



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