正智院

正智院は、和歌山県高野山の壇上伽藍北側にある別格本山である。
平安時代の永久年間(1113-1117)に、教覚正智坊(きょうがくしょうちぼう)に開基され、
鎌倉時代初期の学僧で高野八傑の一人、道範(どうはん)によって再興された。
建長元年(1249年)6月、讃岐配流から赦された道範の帰山を喜び、高野明神がたびたび境内に姿を現したという。
その後、筑前の黒田家、薩摩の島津家の深い信仰を得て、江戸時代には学侶名室二十ケ寺の内に数えられた。
宝性院門流の学問寺院として多くの僧侶が集まり、正月には論議、春と秋には法談などが行われた。
本尊は鎌倉時代前期(12世紀末〜13世紀初頭)の慶派の仏師作と伝わる阿弥陀如来三尊である。
国宝の文館詞林(中国の唐で編纂された詩文集)や重要文化財に指定されている不動明王など数多くの文化財を有している。

正智院庭園は、昭和27年(1952年)に重森三玲によって作庭された枯山水庭園(830㎡)である。
裏山は岩山で高野山内八葉の神應岳と呼ばれる。神應岳を背景として州浜模様の苔に大小六十余りの石組みが配されている。
正面の大きな岩は、明神岩(別名「影向(ようごう)岩」といい、道範大徳が高野明神と問答をしたという伝説から名付けられた。

平成29年7月15日から10月9日まで、高野山霊宝館で企画展「正智院の名宝」が開催されている。
また平成29年9月3日には正智院庭園の特別公開が行われる。
南海高野線高野山駅からバスで、愛宕前下車徒歩3分。



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