史跡松花堂、松花堂庭園は、京都府八幡市にある。
明治24年(1891年)に、男山の石清水八幡宮から松花堂昭乗の茶室と泉坊の客殿と庭園が移設された。
松花堂昭乗(1584-1639)は、摂津堺に生まれ寛永4年(1627)に石清水八幡宮の寺坊のひとつである瀧本坊の住職をつとめた。
真言密教や空海、藤原定家の書を学んで、近衛信尹(のぶただ)や本阿弥光悦とともに「寛永の三筆」の一人に数えられた。
隠居後に、泉坊の一角に草庵を建て、その草庵を「松花堂」と名付け、狩野山雪や小堀遠州らの当代の文化人が集う場所となった。
松花堂庭園は、22,000㎡の広さがあり、草庵「松花堂」、泉坊書院のほか松隠、梅隠、竹隠の3つの茶室がある。
昭和32年(1957)には、男山山中にある松花堂跡とともに国の史跡に指定され、平成26年(2014)には国の名勝に指定されている。
庭園には、40種類を超える竹や300本以上の椿などが植えられ、東車塚古墳や女郎花塚もある。
庭園入口には、市立松花堂美術館がある。
松花堂弁当は、松花堂昭乗が農家の種入れ箱に着想を得て小物入れや煙草盆として使っていた四つ切塗箱から
吉兆の創業者湯木貞一が着想を得て考案したもので、吉兆松花堂店で庭園を眺めながら食することができる。