鷹ノ巣岩(鷲の岩)、一名「蛙岩」は、奈良県天川村の山上ケ岳北側にある。
大峰奥駆道の西ノ覗岩北側にあり、岩峯そそり立つ光景が見られる。
藤田庄一氏が、この岩にまつわる伝承を次のように記している。
平安時代も後期、高慢な男が金峯山で修行中、蔵王権現を侮る暴言を吐いた。
すると大鷲が突然現れ、男をさらって断崖絶壁の上に置き去りにした。
その断崖が、この鷲の岩である。男は真っ青になって助けを求めた。
折しも一人の高僧が通りかかったものの、救いようがない。
そこで男をカエルに変身させて、断崖から脱出させた。
高僧は、そのカエルを吉野山まで連れ帰る。
そして蔵王堂で僧侶たちの読経によって、元の人間の姿に戻してやったのである。
この伝承を儀礼化したのが、七月六日の蓮華会の蛙とび行事だ。(後略)
洞川温泉から、徒歩約3時間。