立里荒神社は、奈良県野迫川村荒神岳にある神社である。
三宝荒神、立里の荒神とも称し、橋本市の光三宝荒神、宝塚市の清荒神清澄寺、桜井市の笠荒神などとともに、日本三大荒神の一つとして知られる。
祭神は、火産霊命(ほむすびのみこと)。荒神は古来火や竈の神様として親しまれており、仏教では仏、法、僧の三宝を守護する神様、「三宝荒神」と呼ばれ、真言、天台の修験道の信仰対象としても知られる。
現社地の南方の頂上(標高1260m)が、当社創祀の場と伝えられ、古荒神と呼ばれる。
縁起によると、弘仁7年(816年)弘法大師が高野山の伽藍建立に先立ち、山上の鬼門にあたるこの地で、三宝荒神の像を描き本尊として、17日間荒神供を修行、伽藍繁栄、密教守護の祈誓をし、のち伽藍建立に着手して、順調に工事が進められたと伝わる。
その後、荒廃したが、元禄6年(1693年)高野山萱堂成就院の僧宥性が修理、再興した。
神仏習合の宮として、宝積院と称したが、廃仏毀釈で仏体を池津川に移し、単に荒神社と称した。
現在も三宝荒神の七難即滅、七福即生の誓願を慕い、特に悪疫、水難、火難の消滅を祈願する参拝者が多く、奉納された鳥居も多く建てられている。
南海高野線高野山駅から、予約制の南海りんかんバスで立里荒神前下車、徒歩10分。鳥居前に参拝者用の駐車場がある。(Y.N)