天徳院

天徳院は、和歌山県高野山の金剛峯寺南にある真言宗の別格本山である。
本尊は、白河天皇第四皇子の覚法法親王も拝んでいたといわれる「山越の阿弥陀如来」である。
開基は寛永5年(1628)に没した前検校覚雄で、もとは西光院(さいこういん)とよばれていた。そのため当院から南側に入る谷を西光院谷と呼ぶ。
元和8年(1622)、加賀百万石前田家が、3代目当主利常(としつね)の夫人 珠姫(たまひめ)(徳川秀忠公二女)の遺骨を収めてから、寺名を珠姫の戒名である天徳院と改めた。
天徳院庭園は、小堀遠州作の池泉回遊式庭園で国指定名勝となっている。
宝来様式と呼ばれる鑑賞様式で、庭の手前が人間の現世の世界、池の部分が仙人の世界、滝を上って奥にある珠姫の墓地の周辺が仏の世界を現わしているといわれる。
千手院谷普門院、蓮華谷宝善院の庭園とともに高野三庭園と呼ばれている。
本堂には、前田家代々の位牌や、赤穂浪士四十七士の位牌が祀られている。
絹本著色理趣経十八会曼荼羅図を蔵し、和歌山県の文化財に指定されている。
南海高野線高野山駅からバスで金剛峯寺前下車、徒歩3分。


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