東大寺は、奈良市雑司町にある華厳宗総本山の寺院である。
聖武天皇の発願で建立され、751年に金堂(大仏殿)が完成し、752年に大仏開眼供養会が盛大に行われた。
本尊は盧舎那仏で奈良の大仏として知られている。
盧舎那仏の名は、宇宙の真理を体得した釈迦如来の別名で、世界を照らす仏、ひかり輝く仏の意味である。
左手で、宇宙の智慧を、右手で慈悲をあらわしながら、人々が思いやりの心でつながり、絆を深めることを願っている。
大仏開眼の筆を執ったのは、インドの僧 菩提僊那(ぼだいせんな)で、開眼筆に長大な縹(はなだ)色のひもが結ばれ、参列者が持ってともに開眼した。
その際に使われた縹縷(はなだのる 開眼縷)は、長さが190mの絹製藍染で、正倉院に保管されている。
1180年の平家の南都焼打ちにあったが、重源により復興された。
しかし1567年に再び兵火によって主要伽藍が焼失した。
現存する大仏殿は、1709年に再建されたもので、高さ48m、幅57mの寄棟造で、世界最大の木造建築である。
奈良時代の建築や彫刻が多数残っており、国宝や重要文化財も数多い。→ 東大寺南大門
近鉄奈良駅から市内循環バス「大仏殿春日大社前」下車、徒歩5分。