浮島の森

浮島の森は、和歌山県新宮市にある湿地帯の植物群落である。
新宮藺沢(いのそ)浮島植物群落で、俗に浮島の森、藺の沢(いのど)の森と称されている。
東西約96m、南北約55m、総面積約5,000㎡の沼地に浮かぶ島で、水に浮いているのは、植物遺体が分解されずにできた水より比重の軽い「泥炭」からできているからだといわれている。
強く足踏みすると軽く振動し、雨で増水した際には、島全体が浮上する。
島内は、寒地性、暖地性両性の植物が生い茂って森林となっている。寒暖両性の植物群落は植物生態及び分布学上貴重なもので、国の天然記念物に指定されている。
島内には「蛇の穴」があり、「おいの」という娘が大蛇にのまれたとの話が伝わる。
この伝説をもとに、上田秋成は「雨月物語(蛇性の婬)」を書いたといわれ、谷崎潤一郎が戯曲化している。
JR紀勢本線新宮駅から徒歩7分。来訪者用の駐車場がある。(Y.N)



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