若草山は、奈良市春日野町にある。
若草山は、高さ341.8m、広さ33haで、山全体が芝生でおおわれており、嫩草(わかくさ)山とも書く。
三つの笠を重ねた形から「三笠山」とも呼ばれる。
山麓、一重目、二重目、山頂(三重目)でそれぞれの景観を楽しめる。
山頂には、鶯塚古墳があり、国史跡に指定されている。
近鉄奈良駅からバスで春日大社本殿下車、徒歩15分。
若草山焼きは、1月第4土曜日に奈良市の若草山で行われる。
古都奈良の冬の風物詩として知られる「若草山焼き」の行事の起源については、諸説がある。
三社寺(春日大社、興福寺、東大寺)の説によれば、若草山頂にある前方後円墳(史跡、鶯塚古墳)の霊魂を鎮める杣人の祭礼と言われている。
また、若草山一帯をめぐる興福寺と東大寺の境界争いに端を発するとの説や、春の芽生えを良くするための野焼きの遺風を伝えたとの説がある。
その昔、若草山山頂の鶯塚古墳から幽霊が出て人々を怖がらせるが、山を焼くと幽霊が出なくなるなどの迷信が伝えられ、この山を通る人が勝手に火をつけるようになったといわれる。
そのため、奈良奉行所は1738年12月に放火禁止の立て札を立てた。
しかし、その後も放火が続いたため、江戸時代末期には、東大寺と興福寺が立ち会って山を焼くようになったという。
山焼き当日は午後4時45分から奈良公園で御神火奉戴祭が執り行われる。
午後6時15分から大花火が打ち上げられ、午後6時30分から一斉点火される。
点火場所のすぐ下で見学することもできる。
奈良県庁では、県庁屋上広場を開放しており、事前に往復はがきで申し込んで入場する。