吉野歴史資料館は、奈良県吉野町宮滝にある。
2階の展示室では、宮滝遺跡から出土した縄文、弥生時代の土器や石器のほか、天武、持統天皇などが訪れた吉野離宮跡に関する展示がある。
吉野町に関わる書籍、漫画も閲覧できる。
資料館周辺には、次の万葉歌碑が建てられている。
万葉集 巻10-1868 春雑歌
かはず鳴く
よしのの川の 瀧の上の
あしびの花ぞ
端に置くな ゆめ
(大意)
カエルの鳴く吉野の川の滝のほとりの馬酔木の花ですぞ。
端には置くなよ 絶対に。
(作者)
詠み人知らず
(揮毫者)
上野誠 奈良大学文学部教授
よき人のよしとよく見て
よしといひし
よしのよく見よ
よき人よく見
(大意)
よき人が良いところだとよく見て「よし」といった、吉野をよく見なさい
よき人よ、よく見なさい。
(作者)
天武天皇
(揮毫者)
上野誠 奈良大学文学部教授
国栖らが 春菜つむらむ
司馬の野の しばしば
君を 思ふこのころ
(大意)
国栖の人たちが春に菜を摘むという司馬の野という野がある。
そんな「司馬」という地名のように、しばしば君を思うこの頃です。
(揮毫者)
竹林院 住職 福井良聖