湯浅町重要伝統的建造物群保存地区は、和歌山県湯浅町にある。
湯浅は古くから交通の要衝で、熊野参詣の往来や港町として賑わっていた。
近世の湯浅は、醤油、味噌醸造業が盛んな商工業都市として発展した。
湯浅醤油は、興国寺(由良町)の覚心(法燈(ほっとう)国師)が、鎌倉時代初めの建長6年(1254年)に宋から径山寺(きんざんじ)味噌の製法を学んで帰国し、
湯浅地方で布教のかたわら、製法を伝授したのが始まりと言われている。
ある時、味噌づくりの過程で染み出た汁をなめた人が味に魅せられ、工夫を重ねた末にしょうゆが生まれたという。
江戸時代には、紀州藩の保護を受けて発展し、下総国の銚子、野田に進出して醤油醸造を行い、人口が急増した江戸の食卓を支えた。
文化年間には、湯浅の醤油醸造業者は92軒を数えた。
今日でも、当時の様子を偲ばせる町家や土蔵が並び、平成18年には、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
平成29年(2017年)には、製造場や製造技術、史跡が「最初の一滴 醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅」として日本遺産に認定されている。
老舗「角長」の職人蔵は、かつての仕込み蔵で、江戸時代から使われた製造道具が展示されている。
予約をすれば、湯浅醤油の工場を見学できる。(TEL 0737-62-2100)
湯浅駅前多目的広場では、湯浅町小型モビリティ実証実験事業として、「湯浅コムス散歩」が実施されている。
超小型電気自動車「COMS」で、湯浅町の観光コースを探索できる。
料金は、3時間3000円であるが、平成30年3月末までは、試走モニター無料体験として、試乗できる。
事前予約は、090-1894-2343(受付時間9:00-17:00)で、受け付けている。