瑜祇塔は、和歌山県高野山の龍光院の北の獅子ケ岳にある。
瑜祇塔の正式名は、金剛峰楼閣瑜祇塔(こんごうぶろうかくゆぎとう)で、根本大塔に対して小塔とも呼ばれる。
真言密教の第三番目の継承者である金剛智三蔵(こんごうちさんぞう)訳の「金剛峰楼閣一切瑜伽瑜祇経(略称・瑜祇経)」に基づいて建立された。
瑜祇経は、真言密教の重要な経典で、高野山金剛峯寺の寺名の由来ともなっている。
瑜祇塔は、弘法大師の遺言により貞観12年(860年)に真然大徳が建立したもので、「野山名霊集」には、「深秘の宝塔」と書かれている。。その後数度焼失し、現在の塔は昭和6年(1931年)に再建された。
特殊な形式の塔で、二層であるが屋根は上層のみで、中央と四隅に五基の相輪を立て、上下層とも円柱形に造られている。内部には、金剛界の五仏を安置している。
龍光院は、無量壽院門中法談所又は中院とも呼ばれ(紀伊続風土記)、弘法大師の住坊と伝えられる御房で、根本大塔の北側にある。
南海高野線高野山駅から南海りんかんバスで「金堂前」下車、徒歩5分。中門前に無料駐車場がある。