禅居庵(ぜんきょあん)は、京都市東山区にある建仁寺の塔頭である。
江戸時代の地誌は「ぜんごあん」とよむ。建仁寺中門内西方にあり、寺門、仏殿ともに東面している。
本尊は聖観音である。開基は鎌倉時代に中国の福州から来た清拙正澄(せいせつしょうちょう)禅師(1274-1339)で、境内仏堂の摩利支天堂には、清拙が将来した摩利支天像が安置されている。
摩利支天は、インドの神様で陽炎(かげろう)を神格化したものである。いっさいの災難を防いで身を隠すすべが得られるといわれ、中世の武士の間で信仰が広まった。
仏法を護る善神として禅宗では大切にされており、七頭の猪の上に座している姿から、境内には多くの狛亥が祀られている。
古来開運勝利のご利益があり、また亥歳生まれの人の守り神として深く信仰されている。
海北友松筆の紙本墨画松竹梅図襖絵12面(国指定重要文化財、京都国立博物館寄託)を蔵する。
京阪電鉄祇園四条駅下車、徒歩7分。