油屋跡

油屋跡は、三重県伊勢市古市町にある。
古市は、江戸初期までは人家がなかったが、伊勢参りの参拝客でにぎわうようになり、精進落としの場所で有名となった。
天明年間(1781-1788)には油屋、備前屋、杉本屋など妓楼70余軒、遊女千数百人を数え、江戸の吉原、京都の島原などとともに三大遊郭の一つになった。
明治時代に油屋は旅館となったが、一時は皇族、貴賓の宿も一手に引き受けるほどの盛況であったという。
油屋跡の石碑は、古市参宮街道に建てられている。
昭和58年に伊勢市教育員会が建てたもので、側面に「旧古市遊郭の代表的妓楼 歌舞伎伊勢音頭恋の寝刃の舞台」との説明がある。
寛政8年(1796)に油屋で起こった刃傷沙汰をもとに歌舞伎、文楽の「伊勢音頭恋寝刃(こいのねたば)が作られた。
刃傷沙汰を起こす登場人物の福岡貢(ふくおかみつぎ)は、元は阿波の武士で、御師(おんし)として参拝客の宿や遊女屋の手配などを生業としていた。
その阿波の主筋が探していた名刀「青江下坂」と鑑定書の折紙(おりかみ)を巡って、愛人お紺や客の岩次、仲居万野などとの物語が展開する。
近鉄鳥羽線五十鈴川駅下車徒歩10分。 → 大林寺


TOP PAGE  観光カレンダー
TOP PAGE  观光最佳时期(旅游日历)