高照山大林寺は、三重県伊勢市古市町にある浄土宗西山禅林寺派の寺院である。
本尊は阿弥陀如来を祀っている。
当寺は、寛永2年(1625)、僧信空の開基と伝えられ、当初は古市町東裏に創立された。
その後、元禄4年(1691)に現在地に移され、以来遊里古市の中心にあってその盛衰をみてきた。
境内にある遊女お紺と孫福斎(いつき)の比翼塚は、寛政8年(1796)に当寺隣地の妓楼油屋で起こった刃傷沙汰「油屋騒動」の当事者を悼んで建立寄進されたものである。
油屋騒動は、事件をモデルにして歌舞伎狂言「伊勢音頭恋寝刃(こいのねたば)」が作られた。
お紺の墓は、文政12年(1829)坂東彦三郎によって建てられ、昭和4年(1929)には実川延若によって孫福斎の墓も建てられた。
近鉄鳥羽線五十鈴川駅下車徒歩10分。