中将ケ森と蓮池(姿見池)は、和歌山県橋本市恋野にある。
中将姫は、長谷観音の授かり子であったため、十三仏中の観音菩薩を守り本尊としていた。
そして、自分の身代わりとなった人々の供養や、松井嘉藤太夫人の忠誠心に加えて、里人たちの庇護と奉仕の温情に対する感謝、並びに恋野の里の弥栄を祈念して藤原南家の氏寺(五條市栄山寺)の見えるこの地に観音様を祀ったといわれている。
その後、恋野の信仰の中心となり、観音講の人々によって大切に保存されている。
中将姫は、都に帰るとき里人たちと別れを惜しみつつ、肌身離さずに持っていた観音像を残していったと伝えられている。
この森の一隅に蓮池(姿見池)があり、中将姫は蓮を植えていたといわれ、その後、當麻寺では蓮糸で曼荼羅を織ったと言われている。