同期の桜供養塔

同期の桜供養塔は、和歌山県高野山奥の院の一の橋西側にある戦没者慰霊塔である。
海軍第十四期会が昭和42年(1967)に建立したもので、塔横の石碑に次のとおり刻されている。

     あゝ同期の桜
   海軍第十四期飛行専修予備学生戦没者慰霊塔

第二次世界大戦の戦局不利となり国家存亡の秋を迎え、大学・
高等専門学校の文科系に在学する学生全員が徴兵され、昭和十八年、陸海軍に入隊した。

このうち海軍航空隊(操縦、偵察、要務)へ配属されたのが第十四期飛行専修予備学生である。

彼らはたがいに「貴様と俺とは同期の桜」とうたい、「散る櫻、残る櫻も散る櫻」
厳しい訓練に鍛えられる裡に、太平洋南西諸島各地で戦死・戦病死者四百余名が数えられ、
神風特別攻撃隊も百十余名に及んでいる。

同期生・藤田光幢前官(高野山大円院住職第四十三世)は、散華した同期生の供養を生涯の責務と念じ、
密かに毎日その精進を続けていた。それを知った同期生・同家族並びにご遺族から澎湃とした感動が
慰霊碑建立の呼び声を齎したのである。やがて戦後二十三回忌に当たる昭和四十二年八月立派な威容が現出した。
この塔は千手観音の慈悲と不動明王の怒りの炎を具現している。

「あゝ同期の櫻の塔」は若くして散華した同期生の鎮魂、日本の繁栄、
世界の真の平和を祈る、散った櫻の悲願である。

       海軍第十四期会
           菩提所 大円院


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