平安京朝堂院大極殿跡（大極殿遺址碑）は、京都市にある。
平安京は大内裏（だいだいり）と称し、国政、儀式、年中行事などを行う宮殿や諸官衙（かんが）（役所建物）と天皇に関わる生活空間からなり、現代の東京の皇居と霞ヶ関界隈に点在する役所を合わせたようなものである。
その規模は、南北約1.4km、東西1.2kmあり、周囲は築地や壖地（ぜんち）（犬走）、濠で厳重に囲み、１４の門があった。
平安京の正門の朱雀門を入ると応天門をもつ朝堂院（八省院）があり、この正殿が大極殿である。
東西九間、南北二間の母屋の四面に庇をもち、四周に朱欄（しゅらん）をめぐらせ、屋根は緑釉瓦で縁取られ、大棟には一対の鴟尾（しび）がのる平安京最大の建物である。
床は塼敷き（せんじき）で母屋中央に玉座の高御座（たかみくら）が置かれる。
斎宮が伊勢下向に際して、大極殿において天皇から「別れの御櫛（おぐし）」を額に挿してもらうが、「源氏物語」の「賢木」でも朱雀帝が斎宮（後の秋好中宮（あきこのむちゅうぐう））に別れの御櫛を挿す描写がある。
大極殿は、安元３年（一一七七）の大火後は再建されず、大極殿での儀式は内裏の紫宸殿に移った。
朝堂院の西には饗宴施設である豊楽院（ぶらくいん）、北東には天皇の居所である内裏がある。
そのほか平安京内には、二官八省をはじめとする政治を掌る官衙が建ち並び、内裏の西には宴松原と呼ぶ空閑地があった。
現在、内野児童公園に建つ「大極殿遺蹟の碑」は、明治２８年（１８９５）に平安遷都１１００年を記念して作られた。
大極殿の発掘調査では、南辺と東軒廊（こんろう）跡、昭慶門に取り付く東側回廊跡の凝灰岩の基壇石などが検出され、その成果から現在の「大極殿遺蹟の碑」は、大極殿の北にあった昭慶門の西側回廊の上に立っていることが判明している。
なお、平安神宮の社殿は、平安京の朝堂院を８分の５の規模で再現したもので、その外拝殿（げはいでん）は、大極殿に相当する。
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