苅萱堂跡(椎出道)は、和歌山県九度山町にある。
江戸時代に書かれた紀伊国名所図会巻之四には、学文路村にある苅萱堂の絵が大きく描かれている。
大正14年(1925年)に、南海鉄道が九度山駅から高野下駅まで延長され、高野山参詣の人々が高野下駅のある椎出から徒歩で登ることとなった。
そのため、人通りの減少した学文路の苅萱堂を椎出道に移したものである。
しかし、昭和3年(1928年)に高野山電気鉄道が高野下・紀伊神谷間の営業を開始し、翌年極楽橋駅まで延長されたため、椎出から登る人はなくなり、荒廃した建物と苅萱堂と記された石柱が残されている。
建物内は、弘法大師の絵も残されており、往時の様子が偲ばれる。
南海高野線高野下駅下車、徒歩1時間45分。苅萱道心、石童丸、石堂丸ゆかりの地