樫野埼灯台は、和歌山県串本町にある日本最古の石造灯台である。
この灯台は、慶応2年(1866年)江戸幕府とアメリカ等4か国との間で結ばれた江戸条約で建設が決められた8灯台のうちの一つである。
「日本灯台の父」として知られる英国人のリチャード・ヘンリー・ブラントンが、わが国で初めて手がけた石造りの洋式灯台で、明治2年(1869年)3月着工、翌明治3年(1870年)6月10日に点灯された。
水面から灯火までの高さは、約47メートルあり、外壁の階段を利用して展望台まで上がることが出来る。
樫野埼灯台旧官舎は、ブラントンが設計して、明治3年(1870年)7月に竣工したもので、平成15年(2003年)に国登録有形文化財に指定され、平成23年(2011年)3月に保存改修工事が行われた。
ここは、トルコ軍艦エルトゥールル号の遭難事件の際、救助の拠点となった事でも知られている。
樫野崎灯台とエルトゥールル号の遭難事故に関する旧官舎や犠牲者を葬った墓地などの遺跡は、令和3年(2021)に国史跡に指定された。
土日祝祭日、灯台記念日(11月1日)、年末年始(12月29日〜1月3日)には、建物内部を見学できる。
JR紀勢本線串本駅から串本町コミュニティバスで、樫野埼灯台口下車、徒歩7分。樫野埼灯台口に無料駐車場がある。