春日大社は、奈良県奈良市春日野町にある神社で世界遺産に指定されている。
春日大社は、768年に平城京鎮護のため御蓋山の中腹に4棟の神殿が造営されたのが始まりである。
祭神は、第1殿が武甕槌命(たけみかづちのみこと)、第2殿が経津主命(ふつぬしのみこと)、第3殿が天児屋根命(あめのこやねのみこと)、第4殿が比売神(ひめがみ)である。
武甕槌命は、国譲りを達成した最強の武神で、常陸国鹿島から鹿の背に乗って神山御蓋山にやってきたと伝えられている。
経津主命は建国を支えた大功のある武神、天児屋根命は天照大神が天岩戸に隠れた際に祝詞を奏した司祭神で最高の知恵を持つ神、比売神は天児屋根命の后神で平安時代から江戸時代末期まで天照大神として信仰されていた神である。
常陸国鹿島の神が春日の地に祀られたのは、一説には藤原氏の祖となった中臣鎌足が鹿島に生まれ育ち、飛鳥に移ってのちも鹿島の神を信奉していたからといわれている。
一の鳥居から表参道を約20分歩くと社殿に着く。
中門の中は、春日造りの4棟の本殿が横並びになっている。
国宝の本殿は、20年に一度の式年造替が進められ、2016年11月に正遷座祭が行われた。
春日大社には、国宝351点、重要文化財920点があり、「奇跡のご神宝」とも言われている。
2月節分には、春日大社節分万燈籠、3月13日には勅使参向のもと例祭の春日祭が行われる。
10月には、鹿苑で鹿の角伐りが行われる。
近鉄奈良駅からバスで10分「春日大社本殿」下車、徒歩5分。春日大社参拝者用の駐車場がある。→ 采女神社
若宮は、春日大社の摂社で1135年に社殿が現在地に造営された。
春日の神、天児屋根命と比売神の御子、天押雲根命をまつるので若宮という。
1136年、洪水や飢饉を防ぎ、五穀豊穣を祈るため、藤原忠通によって始められた若宮神社の祭礼が、春日若宮おん祭である。
1979年に国の重要無形民俗文化財に指定された。
毎年12月17日に行われ、一の鳥居を入ってすぐの参道でお渡り行列や稚児流鏑馬が披露される。