葛城神社(柱本)

葛城神社は、和歌山県橋本市柱本にある神社である。
祭神は、素戔嗚命で、境内社として、若宮殿と猿田彦神社がある。また飛地社として愛宕神社ほか末社四殿がある。
勧請についての詳細は不明で、古老の言い伝えによれば、正平4年(1349年)頃、戦火により旧記等ことごとく焼失したという。
当神社は、牛頭天王社とも称し、疫病神としての京都祇園社(八坂神社)が総社である。牛頭天王は、もとはインドの釈迦や弟子の僧坊である祇園精舎の守護神であった。
京都祇園社の紋が胡瓜の切り口に似ているところから、祇園さんの紋を食べるのは恐れ多いとされ、最近まで胡瓜を食べなかったと云う。
六十年毎に本殿の造営が行われ、現在の建造物は、昭和55年に、氏子によりすべての建物が寄進された。

古くから当神社を管理し守るための宮ノ講という座中による輪番で毎年元旦から1年間神主を務めて祭事を司っている。
大晦日の深夜には神主を司るものが、重さ20kgの大松明2基による道案内で、神社東側の宮川の滝壺に入り、精進潔斎の禊を行う。
「宮ノ講と葛城神社年越し行事」として、無形民俗文化財に指定されている。
また、令和2年(2020)6月19日に日本遺産に認定された「葛城修験-里人とともに守り伝える修験道はじまりの地-」のストーリー構成文化財となっている。

境内には、橋本市指定文化財のムクロジがある。ムクロジ科の落葉高木で、6月頃淡緑色5弁の小花を大きな円錐花序につけ、実(果実)は球で硬く羽子(はご)の球に使われる。
また果皮はサポニンを含むので石鹸の代用とされた。漢名は、無患子、木患子。和名のムクロジは、モクゲンジの漢名「木樂子」の誤用とされている。
平成9年指定当時、高さ29.7m、胸高幹回4.2mと大きく、和歌山県の調査によると、高知県須崎市大谷の勢井白王(伊気)神社境内のものに次いで、全国2番目の規模といわれる。
南海高野線林間田園都市駅から南海りんかんバスで「紀見ヶ丘」下車、徒歩5分。



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