金峯神社  
義経隠れ塔

金峯神社は、奈良県吉野町にある神社である。
吉野山の総地主の神で,金鉱を守る金山毘古神(かなやまひこのかみ)を祀る延喜式式内社である。
吉野八社明神のひとつで、金精大明神(こんじょうだいみょうじん)、金山明神などと呼ばれてきたが、その創建は定かではない。
金峯というのは、このあたりから大峰山にかけての総称で、古来地下に金の鉱脈があると崇められ、鎌倉時代の説話集「宇治拾遺物語」には、この山で黄金を得たという物語が載っている。
これは、仏教説話として、金峯山は黄金浄土であるという観念から生まれたと言われている。

中世以来、さかんに御嶽詣(みたけもうで)が行われ、関白藤原道長がここに参ったことが「栄華物語」に記され、その時の経筒が社宝として伝えられている。→ 藤原道長ゆかりの地
金銅藤原道長経筒は、寛弘4年(1007年)8月11日と記され、紀年銘のある最古の経筒として、国宝に指定され、京都国立博物館に寄託されている。
また、村上義光所用の鉄鐔卒塔婆透シは重要文化財に指定されている。
2004年には、紀伊山地の霊場と参詣道として、世界遺産に登録された。

金峯神社から小道を下った所には、義経隠れ塔がある。
文治元年(1185年)、源義経がこの塔に隠れ、追手から逃れるために屋根を蹴破って外に出たため、「蹴抜けの塔」とも言われている。
塔のすぐそばには展望台があり、吉野の山並みを望める。
歌舞伎の義経千本桜では、吉野山の蔵王堂近くの河連法眼館や花矢倉が舞台となっている。
近鉄吉野線吉野駅からバスで奥千本口駅下車、徒歩5分。



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