利剣山 戀塚寺は、京都市伏見区下鳥羽城ノ越町にある浄土宗の寺院である。
寺伝によると、平安時代末期、北面の武士遠藤武者盛遠(もりとう)が、渡辺左衛門尉 源渡(みなもとのわたる)の妻、袈裟御前に横恋慕し、誤って彼女を殺してしまった。
盛遠は己の非道を深く恥じ、直ちに出家して、文覚(もんがく)と名乗り、袈裟御前の菩提を弔うため、一宇を建立したのが、当寺の起こりといわれている。
本堂には、本尊阿弥陀如来像の外、袈裟御前と源渡、文覚上人の三人の木造が安置されている。
境内には、戀塚と呼ばれる宝篋印塔があり、袈裟御前の墓と伝えられている。
当寺の縁起物語は、古来より人倫の大道を教えるものとして、物語、詩歌、小説などに取り上げられている。
古くは、「源平盛衰記」、近代では、芥川龍之介の「袈裟と盛遠」、菊池寛「袈裟の良人」などがあり、映画「地獄門」は、本寺の物語を映画化したものである。
源平盛衰記 巻第十九 「文覚発心」では、「文覚道心の起(おこり)を尋ねれば、女故也けり。」との書き出しで、盛遠と袈裟御前(「アトマ」)の物語が記されている。
寺宝として、極彩色本寺縁起絵巻、袈裟御前肖像画(土佐光信筆)、縁起刻の石碑などを有する。
なお、恋塚は二カ所あり(上鳥羽と下鳥羽)と伝えられているが、「都名所図会」によると、上鳥羽浄善寺の塚は、鯉塚が転じたものという。
京都駅からバスで下鳥羽城の越町下車、徒歩3分。参拝者用駐車場がある。
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