旧杉山家住宅

旧杉山家住宅は、大阪府富田林市富田林町にある。
杉山家は富田林寺内町創立以来の旧家で、代々「杉山長左衛門」を名乗り、
江戸時代を通じて富田林八人衆の一人として町の経営に携わってきた。
旧来の家業は不明であるが、貞享2年(1685年)に新家村(しんけむら)彦左衛門から酒造株を取得した後は、
造り酒屋として成功し、当初30石であった酒造石高は、天明5年(1785年)に1300石となった。
江戸時代の屋敷図によると、敷地は町割の一区画を占める広大なもので、
主屋を始め酒蔵、釜屋、土蔵など十数棟が軒を接して建てられていた。
現存する主屋は、寺内町で最も古く、土間部分は慶応3年(1650年)頃に建てられ、
その後、屋敷や2階部分を増築し、延享4年(1747年)頃に現在の姿になったと考えられている。
旧杉山家住宅は、農家の田の字型の平面構成を取り入れた町家建築として、寺内町で最も古いもので、
江戸時代前期の商家の遺構として、昭和58年(1983年)に国の重要文化財に指定された。
また明治時代に明星派の歌人として活躍した石上露子(いそのかみつゆこ)(本名は杉山孝)の生家でもある。
近鉄長野線富田林駅下車、徒歩10分。


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