壬生寺

壬生寺は、京都市中京区にある律宗の寺院である。
正歴2年(991年)に、三井寺(園城寺 滋賀県大津市)の快賢僧都によって創建された。
その後、白河天皇から地蔵院の寺号が与えられた。
本尊は、延命地蔵菩薩(平安時代作、重要文化財)で、水掛け地蔵、夜泣き地蔵をはじめとする多数の地蔵菩薩を祀っている。
古来から、地蔵信仰とともに厄除け開運の寺として庶民の信仰を集めており、2月の厄除け節分会は、約900年の歴史をもつ行事である。
境内には、洛陽三十三所観音霊場の塔頭・中院や壬生狂言の舞台である大念佛堂(重要文化財)、千体の石仏を安置したミャンマーの千体仏塔、阿弥陀堂、新選組関連遺跡の壬生塚などがある。
阪急電鉄京都線四条大宮駅下車、徒歩約10分。京都市営バス及び京都バス「壬生寺道」下車、徒歩3分。

 壬生狂言

壬生狂言は、約700年前、円覚上人が、仏の教えをだれにでもわかるようにと、身振り、手振りによって信者に見せたのが始まりと伝えられている。
演者は、壬生郷士と称する、かつてのこの地域の名主層で組織する講中である。
頭を白布で包んで面をつけ、鉦(しょう)、太鼓、笛の囃子を「ガンデンデン」の調子に合わせて演じる無言劇で、現在、能楽系、狂言系、壬生狂言独自のもの3系統30曲が演じられている。
「春の公開(大念仏会)」「秋の公開」「節分の公開」と、年間3度、大念仏堂で公開されている。
期間中、毎日炮烙割りとともに演じられる。炮烙割りは、節分の日に奉納されたもので、序の狂言の中で、舞台上にずらりと並べた数百枚の炮烙を一度に割って、厄除け開運を祈る。
国の重要無形民俗文化財に指定されている。



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