園城寺(三井寺)は、滋賀県大津市園城寺町にある天台寺門宗の総本山である。
創建は飛鳥時代で、弘文天皇の皇子・大友与多王が建立し、天武天皇より「園城(おんじょう)」の勅額を賜り、「長等山園城寺」称した。
俗に「三井寺」と呼ばれるのは、天智・天武・持統天皇の産湯に用いられた霊泉があり「御井(みい)の寺」と呼ばれていたことに由来する。
中興の祖、円珍(智証大師)の時に発展し、南都(東大寺・興福寺)北嶺(延暦寺・園城寺)の一翼を担う大寺となった。
円珍死後の天台宗は、山門(延暦寺)と寺門(三井寺)に二分され、再三の兵火で焼失したが、豊臣氏や徳川氏の尽力で再興された。
日本三不動の一つ、黄不動で著名な寺院で、観音堂は西国十四番札所である。
金堂(国宝)は、1599年に北政所によって再建されたもので、桃山建築の代表作の一つである。
金堂の南東にある鐘楼の晩鐘は、近江八景「三井の晩鐘」として知られる。
京阪電車石山坂本線で三井寺駅下車、徒歩10分。