南朝黒木御所跡(御所の坊跡)は、奈良県天川村にある。
南北朝時代には、後醍醐天皇、護良親王、後村上天皇、長慶天皇、後亀山天皇が、天川郷を南朝奥吉野の拠点としていた。
天川を拠点とした南朝方の行宮は、天川村の数か所にあったといわれており、御所の坊もそのひとつである。
また、天川郷には13通の綸旨、令旨が下賜され現存している。
その中には、天川郷の忠誠を賞でられたものや、その加賞として天河大辨財天へ下賜された知行地配分のお墨付きなどが含まれている。
当地は、歴代天皇の行宮となった御所坊といわれる塔頭が建っていた場所である。
天川村内には、多くの伝承が残っており、天皇の警護や世話を行っていた傳御組(おとなぐみ)が、現在でも御朝拝式を行っている。
また、南朝北朝和解供養宝篋印塔が建てられている。