丹生都比売神社は、和歌山県伊都郡かつらぎ町天野の里にある神社である。
丹生都比売(にうつひめ)は天照大神の妹にあたり、雅日女命(わかひるめのみこと)ともいわれる。
全国にある丹生神社は88社、丹生都比売大神を祀る神社は108社で、当社はその総本社である。
日本書紀に、「天野の祝」として当神社の宮司の記載があり、創建は1700年以上前であると伝えられている。
弘法大師空海が、白黒2頭の犬を連れた狩人(高野御子大神)に高野山に案内され、丹生都比売の神領から高野山の地を譲られたとする高野創建伝説が残されている。
祭神は、丹生都比売大神、高野御子大神(たかのみこのおおかみ)、大食都比売大神(おおげつひめのおおかみ)、市杵島比売大神(いちきしまひめのおおかみ)の「高野四所明神」で、第一殿から第四殿にまつられている。
現在の本殿は、室町時代に復興されたもので、第一殿は一間社春日造りでは日本一の規模で、楼門とともに重要文化財に指定されている。
本殿の四棟は金剛峰寺の方角を意識して北西に面して建っている。
社宝として、銀銅蛭巻太刀拵(国宝)、木造狛犬(重要文化財)、木造渡金装神輿(もくぞうときんそうしんよ)(重要文化財)などがある。
木造渡金装神輿は、鎌倉時代からの「浜降り(はまくだり)神事」に用いられたもので、現在の神輿は室町時代に作られたものである。
浜降り神事は、当社から和歌浦にある玉津島神社まで、船に神輿を載せて紀ノ川を下るもので、初代の神輿は道中に波に流され失われた。
「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つとして、2004年に世界文化遺産に登録されている。
JR和歌山線笠田駅から、かつらぎ町コミュニティバスで「丹生都比売神社」バス停下車すぐ。
京奈和自動車道紀北かつらぎインターチェンジから、国道480号線を車で約20分。参拝者用の駐車場がある。関連項目石造五輪卒塔婆群