大野寺・土塔

土塔山大野寺は、堺市中区にある高野山真言宗の寺院である。
本尊は、十一面観音立像である。
飛鳥・奈良時代の高僧行基(668-749)が開創した四十九院の一つで、「行基年譜」によると、行基60歳の神亀4年(727年)に創建された。
本堂の道路を挟んで南側に、国史跡の土塔がある。
土塔は、大野寺の仏塔で、鎌倉時代の「行基菩薩行状絵伝」に大野寺とともに描かれている。
一辺53.1m、高さ8.6mの四角錐の形をした十三重の塔で、発掘調査で6万枚以上の瓦が葺かれていたことが判明した。
土塔からは、文字を記した瓦が約1300点出土しており、大半は人名で、行基とともに土塔を建立した「知識(衆)」と呼ばれる人々の名前を記したもので、僧尼や貴族の名前も含まれている。
創建当時を再現した瓦葺きのほか、断面がわかりやすく見られる「断面転写」や、全体の復元模型があり、行基の偉業が実感できる。
類似の構造物として、奈良市高畑町の頭塔、インドネシア スマトラ島のピラミッド型建造物 プグンラハルジョ遺跡、タジキスタンのアジナ・テパ、ウラング村仏教遺跡などがある。
土塔や頭塔は、インドネシアの仏教遺跡ボロブドゥールや朝鮮半島の石塔などを起源とする説がある。
また、最近では、唐の高僧 玄奘(602-664)が、中央アジアのれんがを階段状に積み上げた仏塔の知識を中国にもたらし、瓦ぶきを取り入れモデルとなったという説も出されている。
泉北高速鉄道深井駅から南海バスで深井東町下車すぐ。



TOP PAGE  観光カレンダー
TOP PAGE  观光最佳时期(旅游日历)