頭塔は奈良市高畑町にある国史跡である。
僧玄昉(げんぼう)の頭塚の伝承がある。
神護景雲元年(767)良弁僧正の命により東大寺の僧 実忠(じっちゅう)が造営した土塔である。
形状は、方形22mの四角錘台で、7段(約10m)に築かれた仏塔である。
各段の四方には現在27基の石仏が残っている。
石仏の高さ61-111cm、それぞれ浮彫、線彫などで、如来三尊や侍者等を現わしている。
奈良時代の彫刻として価値の高いこれらの石仏のうち、当時確認できた13基は昭和52年に重要文化財に指定されている。
その後昭和61年(1986)からの発掘調査で14基の石仏が見つかり、そのうち9基が重要文化財に追加指定された。
頭塔や土塔は、インドネシアの仏教遺跡ボロブドゥールや朝鮮半島の石塔などを起源とする説がある。
また、最近では、唐の高僧 玄奘(602-664)が、中央アジアのれんがを階段状に積み上げた仏塔の知識を中国にもたらし、瓦ぶきを取り入れモデルとなったという説も出されている。
近鉄奈良線奈良駅からバスで破石町下車、南へ80m行き、西へ50m。
入口は施錠されているため、南側の仲村表具店に解錠を依頼する。