史跡西寺跡

史跡西寺跡は、京都市南区唐橋西寺町にある。
西寺は、平安京への遷都から間もない延暦15年(796)頃から、平安京入口の羅城門の西側に造営された官寺である。
東側には東寺(教王護国寺)が作られた。東寺、西寺の造寺長官に藤原伊勢人が任命され、翌年には笠朝臣江人(かさのあそみえひと)が造西寺次官に任命されている。
金堂、講堂(屋根には緑釉瓦が葺かれていた)を中心として南大門、中門、五重塔、僧坊、食堂(じきどう)などの建物が並び、10世紀半ばごろまで国家の寺として隆盛を誇っていた。
しかし、正暦元年(990)に塔を残して罹災し、その後再建もされたが、天福元年(1233)に塔が焼亡し、以降は再興されることがなかった。
かつての寺域は、東西2町(250m)、南北4町(510m)に及び、主要伽藍跡は、唐橋西寺公園から、南の唐橋小学校にかけて見つかり、今も地下に保存されている。
令和2年(2020)には、発掘調査により、講堂跡から「須弥壇(しゅみだん)」と見られる土壇が確認された。
東西約17m、南北約6.3mの規模で、東寺の須弥壇(東西約24.5m、南北約6.3m)よりも小さいことが判明した。
公園中央の土壇は、ゴンド山と呼ばれ、史跡の標柱が建てられている。
JR京都駅からバスで、西寺前下車、徒歩3分。


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