佐藤春夫記念館

新宮市立佐藤春夫記念館は、和歌山県の熊野速玉大社境内にある。
佐藤春夫(1892-1964)は、明治25年4月に新宮市船町の医家に生まれた。
県立新宮中学校3年の時には、「文学書を耽読し、代数幾何を解すること浅く」留年を経験するほどの文学好きであった。
その後大正7年(1918年)に谷崎潤一郎の推薦で文壇にデビューし、小説、詩、評論、随筆と各方面で近代文学に大きな足跡を残し、文化勲章にも輝いた。
佐藤春夫記念館は、東京都文京区にあった旧佐藤邸を復元したもので、木造2階一部鉄筋建てで、当時の文筆家の生活に思いをはせながら、初版本や自筆原稿などの収蔵品を鑑賞できる。
熊野速玉大社境内には、「望郷五月歌」の詩碑や、佐藤春夫先生句碑が建てられている。
佐藤春夫は、熊野速玉神社境内の茶室を「烏集庵(うしゅうあん)」と名付け、自らを「原始流家元」と称するほど、茶道にも造詣が深かった。
そのため、毎年5月6日の命日には、「御供茶式(おくちゃしき)」が行われる。
JR紀勢本線新宮駅下車、徒歩15分。熊野速玉大社の参拝者用駐車場を利用できる。(Y.N)



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