千里王子社

千里王子社は、和歌山県みなべ町にある和歌山県史跡である。
「千里の浜こそ広くおもいやらる」と枕草子に記された千里の浜は、古代の人々が熊野に旅する時、白砂を踏みしめた地である。
名勝千里の浜の中央に鎮座するのが、熊野九十九王子社の一つである千里王子社である。
社伝によると、「延暦年間(782-806)鎮座」といわれ、天仁2年(1109年)の「中右記」、建仁元年(1201年)の「熊野御幸記」などに記されている。
本殿は、安永5年(1776年)再建の古い社殿で、千里観音堂には王子社の本地仏(如意輪観音)が安置されている。
なお、当社に参詣するときは、浜で貝を拾って社殿に供える風習があったことから、貝の王子と称されている。
千里観音は、明治7年(1874)に神仏分離令により、千里王子神社から分祀された。
本尊は厄除観音として知られる馬頭観音である。
JR紀勢本線岩代駅下車、徒歩20分。


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