国指定史跡 紫香楽宮跡((寺院跡)内裏野地区)は、滋賀県信楽町黄瀬・牧にある。
紫香楽宮は、聖武天皇の時代に造営された宮都である。
天平14年(742)に離宮建設が開始され、天平15年(743)10月には、甲賀寺の造営と併せて大仏建立が発願された。
翌年の11月には甲賀寺での式典で天皇自ら大仏の芯柱の綱を引いたことが記録され、工事は進んでいたが、天平17年(745)5月の平城遷都とともに、甲賀寺の大仏建立は中断され、改めて奈良の東大寺で工事が再開された。
内裏野と呼ばれる丘陵には、慧ぢ時代から大きな礎石と古瓦の出土が知られ、大正15年(1926)に宮殿跡として国史跡に指定された。
しかし、その後の発掘調査で、礎石配置が東大寺の伽藍配置と類似し、恭仁宮跡に創建された山城国分寺跡と同じ范瓦が出土したことから現在では寺院跡であることが判明している。
この寺院跡は大仏のために創建された「甲賀寺」または平城遷都後に「甲賀宮国分寺」として記録に現れる寺院のいずれかと考えられている。
当地の寺院遺構は、広大な内裏野丘陵の南半分に位置し、北半分の解明が待たれていたが、平成29年(2017)の発掘調査で南北長が50m以上の巨大な掘立柱建物跡が見つかり、寺院遺構との関係が注目されている。
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