生源寺は、滋賀県大津市にある天台宗の寺院である。
山門には、「開山傳教大師御誕生地」の石柱がある。
本尊は、円仁作と伝える木造十一面観音菩薩立像で、延暦寺の末寺として、延暦年間(782-806)に開かれたとされる。
現在の本堂は、文禄4年(1595年)の再建、宝永7年(1710年)改築と伝えられている。
山門を入ると右手に「傳教大師御産湯井」がある。また、すぐ横には、「傳教大師幼形御尊像」がある。
伝教大師最澄上人が、神護景雲元年(767年)8月18日に坂本で誕生した際、産湯の水として汲まれたのが、この井戸であるといわれている。
坂本の地には後漢の孝献帝の子孫で日本に帰化した三津首(みつのおびと)の一族が栄えていた。
時の首長百枝公とその藤子夫人の間には子が授からず、比叡の麓に一週間の願をたて草庵に五日間こもると瑞夢を得て、8月18日に坂本の地に蓮華の花が降り、男子が誕生したという。
幼名は広野と名付けられた。
毎年8月18日に宗祖誕生会が生源寺で行われる。
生源寺の鐘は、永正元年(1504年)甲子卯月八日に奉納された。
元亀2年(1571年)織田信長の比叡山焼打ちに際し、鐘は難を逃れ高野山谷上大日堂(現在は存在しない)に移された。
生源寺の銘の入ったこの鐘が高野山霊宝館に所蔵されている。
京阪電鉄石山坂本線坂本駅下車、徒歩2分。