天狗木峠

天狗木峠は、奈良県吉野郡野迫川村にある。
大峯洞川(どろかわ)から高野山に至る大峰道が通っており、「高野大峯歴史街道」の石標が建てられている。
紀伊名所図会には、次のように記されている。
傳供木(でんぐき)
或は借字に天狗木とも記す。和州吉野郡の境にて、高野街道なり。頂上に茶店あり。
此地は美福門院 高野奥院を遥拝して、供祭ありし地なれば、その供物を傳遷(でんせん)して供上する儀をもて傳供といふ。
木は庪にして牀(とこ)など設けしなりとぞ。(略)
「大峰山上より、泥川に下り、天川を経て天狗木より入る、俗此道筋を七度半道といふ、
 一度此道より登詣すれば、功徳七度半にあたるとぞ」

宮坂宥勝氏の「高野山史」によると、明治時代には、大峯街道は奥の院峠、桜峠より天狗木善四郎茶屋(案内所)を経て、大和路に入り、坂本に通じていた。
峠の東側には、役行者像の道標石がある。
また、峠の東側及び南側には、雲海の撮影スポットがある。
南海高野線高野山駅からバスで奥の院前(中の橋)下車、徒歩約90分。→ 陣ケ峰




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