得生寺

雲雀山得生寺は、和歌山県有田市にある西山浄土宗の寺院である。
得生寺記という古記録によると、天平宝宇3年(759年)、時の右大臣藤原豊成のむすめ中将姫遭難の旧跡である。
当初中将姫の家士伊藤春時の創設した草庵が、後に一寺となり、安養庵と呼んだ。
時代が降って室町時代に入り西山浄土宗の明秀光雲上人が紀州に来て、文明年間(1469年-1487年)同上人によって改宗され、伊藤春時の僧名も寺号とし、雲雀山得生寺と称して今日に至っている。
現在の得生寺は、寛永5年(1752年)4月新田蓮坪の現在地に建立された。寺内西正面に開山堂があり、堂内に中将姫を中心に春時(得生)夫妻が安置されている。
当寺には、中将姫が蓮の糸で編んだ當麻曼荼羅や書写した称賛浄土経が寺宝として保管されている。
当寺では、恒例の中将姫会式が毎年5月14日に行われ、地元の子供達が二十五菩薩の姿となり、開山堂から本堂へ練供養をする。会式当日は多くの参詣者が訪れ、昔から次のように言われている。
「嫁見するなら糸我の会式、それで会わねば千田祭」
二十五菩薩練供養は、和歌山県無形民俗文化財に指定されている。
有吉佐和子の小説「有田川」では、主人公の千代が、数年ぶりに「妹」悠紀の練供養での晴れ姿をこっそりと見るために得生寺に出かける様子が、臨場感たっぷりと描かれている。
JR紀勢本線、紀伊宮原駅下車徒歩30分。参拝者用の駐車場がある。→ 中将姫物語ゆかりの地



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