百々神社 紫式部歌碑

百々神社 紫式部歌碑は、滋賀県近江八幡市北津田町にある。
百々神社(ももじんじゃ/どどじんじゃ)は、大蛇の魂(おろちのみたま)を祀る神社である。

平成11年、参道の北側に建立された紫式部歌碑には、変体かなを交えて次のように刻されている。
おいつしま志万もる
神やいさむらんなみもさわ可ぬ
わらは邊(辺)のう羅
  紫式部

この歌は紫式部集に載せられており、次のように紹介されている。
   みづうみに、おいつ島(注1)といふ洲崎に向ひて、
   わらわべの浦(注2)といふ入海(いりうみ)(注3)のをかしきを、口ずさみに
おいつ島 島守る神や いさむらむ
 波も騒がぬ わらはべの浦
(おいつ島を守っている神様が、静かにするようにいさめたのだろうか、
 わらわべの浦は波も立たずきれいだこと)
「おいつ島」に老いを、「わらわべの浦」に童を思って趣向したものである。
紫式部が、父とともに越前に出向いて、その帰路に詠んだ歌である。
(注1)延喜式によると、蒲生郡に奥津島(おいつしま)神社がある。
    現在、近江八幡市北津田町にある大島奥津嶋がそれだとすると、当地周辺の洲崎をいうものと考えられる。
(注2)現在地は不明であるが、大中之湖の東北方にある乙女浜かといわれる。「入海」は、入江のことである。
(新潮日本古典集成 「紫式部日記、紫式部集」 参照) → 紫式部ゆかりの地

滋賀県野洲市あやめ浜にも、この紫式部の歌碑が建立されている。→ 紫式部歌碑 




紫式部の越前往還の折りの和歌

新潮日本古典集成「紫式部日記 紫式部集」では、「紫式部の越前往還の折り」の和歌として、次のように紹介されている。

 番号  原 文 現 代 語 訳  備 考 
1  近江の海にて、三尾が崎といふ所に、
網引くを見て
  白髭神社
紫式部歌碑 
 
三尾の海に 網引く民の てまもなく
立ち居につけて 都恋しも
三尾が崎で網を引く漁民が、
手を休めるひまもなく、
立ったりしゃがんだりして
働いているのを見るにつけて、都が恋しい。
2  また、磯の浜に、鶴の声々に鳴くを    
磯がくれ おなじ心に たづぞ鳴く
なが思ひ出づる 人やたれぞも
磯の浜のものかげで、
私と同じようにせつなさそうに鶴が鳴いている。
一体お前の思い出しているのは誰なのか。
 
3   夕立しぬべしとて、
空の曇りてひらめくに 
   
かきくもり 夕立つ波の あらければ
浮きたる舟ぞ しづ心なき 
空一面が暗くなり、夕立を呼ぶ波が荒いので、
その波に浮いている舟は不安なことだ。 
 
4   塩津山といふ道のいとしげきを、
賤(しず)の男(を)の
あやしきさまどもして、
「なほからき道なりや」といふを聞きて 
   
知りぬらむ ゆききにならす 塩津山
よにふる道は からきものぞと 
お前たちもわかったでしょう。
いつも往き来して歩き馴れている塩津山も、
世渡りの道としてはつらいものだということが。 
 
5   みづうみに、おいつ島といふ洲崎に向ひて、
わらはべの浦といふ入海のをかしきを、
口ずさみに 
  紫式部歌碑
(野洲市あやめ浜)


百々神社
紫式部歌碑
 
おいつ島 島守る神や いさむらむ
波も騒がぬ わらはべの浦 
おいつ島を守っている神様が、
静かにするよういさめたためだろうか、
わらわべの浦は波も立たずきれいだことよ


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