池田兎余子句碑

池田兎余子句碑は、和歌山県高野山龍泉院にある。
石碑には、次のように刻されている。
来なれては
 高野も近し
  沙羅の花

山陰石楠氏の「高野山の句碑・歌碑 第23回 池田兎余子」には、次のように紹介されている。
雪が降ったと聞けば高野に登り、石楠花が咲いたと聞けば高野を訪ね、今年も沙羅双樹の花に会いたくてお山に来た。
「祇園精舎の鐘の声、沙羅双樹の花の色」と、平家物語にうたわれた無常の花・沙羅双樹。
この花は旦(あした)に咲いて夕(ゆうべ)に散るーといわれている。人の世のはかなさを象徴するような花のいのちである。
今日も小早く大阪を発ってお昼前にお山に着いた。いつの間にかかよい馴れた高野への道である。
池田兎余子(いけだとよし)。昭和二十七年大阪で緑野(りょくや)俳句会を興し俳句と俳画の指導に努めた。
昭和五十五年八月、緑野俳句会によって高野山龍泉院境内に句碑建立。同会松本淳斧(二代目主宰)筆。
              解説 山陰石楠(やまかげせきなん)

沙羅は、釈迦の生涯に深く関わった三つの木(ムユウジュ、インドボダイジュ、サラノキ)である仏教三霊木の一つで、この木の下で釈迦は入滅したと言われる。
平家物語で「沙羅双樹の花の色」と記されるように、涅槃に入ろうとする釈迦の頭と脚の両方向に一本ずつあったとか、背中側と腹側に二本ずつあったとか様々な説から「沙羅双樹」といわれる。
ヒマラヤの山麓、渓谷に自生するが、日本では野外植栽はできない。
そのため、我が国では「和の沙羅双樹」として、ツバキ科の夏に白い花をつける落葉高木のナツツバキ(別名 シヤラノキ)が寺院の庭などに植えられており、6~7月に白い花を咲かせる。
また、高野山では、ナツツバキの仲間で、幹に茶褐色の光沢があって、すべすべしているので、「さるすべり」という方言名をもつヒメシヤラ、ヒコサンヒメシヤラも自生している。
(亀岡弘昭氏「はじめての霊場高野山の植物・動物入門」参照)
→ 高野山内の歌碑、句碑、詩碑



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