北室院は和歌山県高野山往生院谷(蓮花谷)にある真言宗の準別格本山である。
創建は約1200年前で、嵯峨天皇から高野山を賜った空海が、伽藍浄域の中院を中心に、東西南北に四室の住坊を建立したと伝えられるが、その一つが北室院であったという。
その後、元禄年間(1688-1704)に、高野聖断によって改易された往生院谷の観音院の地に、火災のために焼けた北室院を移した。
本尊は、本堂に祀られている阿弥陀如来であるが、かつて壇上伽藍に寺を構えていた当時は、准胝堂に祀られていた准胝観音菩薩を本尊としていたと伝えられている。
当院は、奥州の伊達家(仙台市)、伊予宇和島の伊達家(宇和島市)、播州竜野の脇坂家(兵庫県たつの市)などの帰依を受けており、伊達政宗をはじめとする伊達家代々の位牌が安置されている。
毎年旧暦正月11日(仁王会)には、空海直筆と伝わる仏画の掛け軸「五大力菩薩」(重要文化財)が持仏堂に祀られる。
南海電鉄高野線高野山駅からバスで蓮花谷下車、徒歩5分。 伊達政宗供養塔 奥州仙台伊達家供養塔